インフルエンサーマーケティングってなに?成果の出し方と注意点を解説
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インフルエンサーマーケティングに興味はあるけれど、どう始めたらいいのか分からない。そんな悩みはありませんか?インフルエンサーマーケティングとは、SNS上で影響力を持つインフルエンサーを活用して、商品やサービスを効果的にプロモーションする手法です。
本記事では、インフルエンサーマーケティングの基本概念から、成果を出すための実践的なテクニックまでを詳しく解説します。インフルエンサーの選定方法や、協働のポイントなども紹介。
インフルエンサーマーケティングの特徴を理解し、適切な戦略を立てることで、ビジネスに大きな効果をもたらすことができるでしょう。本記事を読めば、今すぐにでも実践できる具体的なノウハウが身につきます。インフルエンサーマーケティングで、あなたのブランドの認知度とエンゲージメントを高めましょう!
インフルエンサーマーケティングの概要
インフルエンサーマーケティングは、近年急速に注目を集めているマーケティング手法です。ここでは、インフルエンサーマーケティングの定義、インフルエンサーの種類と特徴、そして現状について詳しく解説します。
インフルエンサーマーケティングの定義
インフルエンサーマーケティングとは、SNS上で影響力を持つ個人(インフルエンサー)を活用して、商品やサービスのプロモーションを行うマーケティング手法のことを指します。インフルエンサーは、自身のSNSアカウントを通じて、多くのフォロワーに対して情報を発信し、影響を与えることができる人物です。
企業は、インフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらうことで、インフルエンサーのフォロワーに対して効果的にプロモーションを行うことができます。インフルエンサーの発信は、広告とは異なり、個人的な体験や意見に基づいているため、フォロワーからの信頼度が高いという特徴があります。
インフルエンサーの種類と特徴
インフルエンサーは、主に以下の3つのタイプに分類されます。
- マクロインフルエンサー:フォロワー数が100万人以上の著名人や有名人。広範囲に影響力を持つ。
- ミクロインフルエンサー:フォロワー数が1万人から10万人程度の専門家や意見リーダー。特定の分野で強い影響力を持つ。
- ナノインフルエンサー:フォロワー数が1万人未満の一般ユーザー。身近な存在として、高い共感を得られる。
それぞれのタイプのインフルエンサーには、異なる特徴があります。マクロインフルエンサーは、広い範囲に情報を拡散できる一方、ミクロインフルエンサーは特定の分野で強い影響力を持ち、ナノインフルエンサーは身近な存在として高い共感を得られるという特徴があります。企業は、自社の商品やサービスの特性に合わせて、適切なタイプのインフルエンサーを選ぶことが重要です。
インフルエンサーマーケティングの現状
近年、インフルエンサーマーケティングは急速に普及しています。株式会社シミレックスの調査によると、2020年のインフルエンサーマーケティング市場規模は、前年比で約28%増の1,960億円に達しました。また、今後もさらなる成長が見込まれており、2024年には3,500億円規模に達すると予測されています。
インフルエンサーマーケティングが普及している背景には、SNSの利用者数の増加とともに、若い世代を中心に、インフルエンサーの発信する情報を信頼する傾向が強まっていることがあります。博報堂DYメディアパートナーズの調査では、10代・20代の約7割がインフルエンサーの発信する情報を参考にしていると回答しており、インフルエンサーの影響力の大きさがうかがえます。
このような状況を受けて、多くの企業がインフルエンサーマーケティングに注目し、積極的に取り入れるようになっています。今後も、インフルエンサーマーケティングは、デジタルマーケティングにおける重要な手法の一つとして、さらに発展していくことが期待されます。
インフルエンサーマーケティングの効果と成果の出し方
ここでは、インフルエンサーマーケティングが高い効果を発揮する理由について詳しく解説します。さらに、成果を最大化するための戦略と実践的なステップ、そして実際の成功事例から学べる効果的なアプローチについても紹介していきます。
インフルエンサーマーケティングが効果的な理由
インフルエンサーマーケティングが高い効果を発揮する理由は、大きく分けて3つあります。1つ目は、インフルエンサーの発信する情報が、フォロワーから高い信頼を得られることです。
インフルエンサーは、自身の経験や意見を率直に発信することで、フォロワーとの親密な関係を築いています。そのため、インフルエンサーが推奨する商品やサービスは、フォロワーにとって信頼できる情報源として受け止められやすいのです。
2つ目の理由は、インフルエンサーの影響力が広範囲に及ぶことです。人気インフルエンサーの中には、数十万人から数百万人ものフォロワーを抱えている人もいます。
インフルエンサーの発信する情報は、短時間で多くの人々に届けられ、大きな反響を呼ぶ可能性があります。この影響力の大きさが、インフルエンサーマーケティングの効果を高める要因の1つといえるでしょう。
3つ目の理由は、インフルエンサーのフォロワー層が、企業のターゲットと重なりやすいことです。インフルエンサーは、自身の興味関心や専門性に基づいて情報を発信しています。
そのため、インフルエンサーのフォロワーは、同じような趣味嗜好やライフスタイルを持つ人々が集まりやすい傾向にあります。企業がターゲットとする層とインフルエンサーのフォロワー層が一致していれば、効果的なマーケティングが可能になるのです。
以上の3つの理由から、インフルエンサーマーケティングは高い効果を発揮すると考えられています。
成果を出すための戦略と実践ステップ
インフルエンサーマーケティングで成果を出すためには、適切な戦略を立て、それを着実に実行していく必要があります。ここでは、具体的な戦略と実践ステップを紹介します。
まず、自社の商品やサービスにマッチしたインフルエンサーを選ぶことが重要です。ターゲット層の年齢や性別、興味関心などを詳細に分析し、それに合致するインフルエンサーを探しましょう。
インフルエンサーの選定には、フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率(いいねやコメントの付く割合)も重要な指標となります。フォロワーとの交流が活発なインフルエンサーほど、高い影響力を持っていると判断できます。
次に、インフルエンサーとのコミュニケーションを密にとり、信頼関係を築くことが大切です。一方的に依頼するのではなく、インフルエンサーの意見を尊重し、協働してキャンペーンを作り上げていく姿勢が求められます。
インフルエンサーが自然な形で商品やサービスを紹介できるよう、発信内容には柔軟性を持たせることも重要でしょう。過度に宣伝色の強い内容は、フォロワーから敬遠されてしまう恐れがあります。
さらに、キャンペーンの効果を適切に測定し、分析することを忘れてはいけません。インフルエンサーの投稿がどれだけのリーチ(到達)数や購入数につながったのか、データに基づいて評価しましょう。
この分析結果を踏まえ、次のキャンペーンに生かしていくことが、継続的な成果につながります。インフルエンサーマーケティングは一過性のものではなく、長期的な視点で取り組むことが大切だといえるでしょう。
成功事例から学ぶ効果的なアプローチ
ここでは、実際のインフルエンサーマーケティングの成功事例を紹介し、そこから学べる効果的なアプローチについて解説します。
1つ目の事例は、美容系のインフルエンサーを起用したスキンケアブランドのキャンペーンです。このブランドでは、インフルエンサーに自社製品を使用した毎日のスキンケアルーティンを紹介してもらいました。
インフルエンサーが製品の使用感や効果を具体的に伝えることで、フォロワーの共感を呼び、購買意欲を高めることに成功しました。ここから学べるのは、インフルエンサーの実体験に基づく情報発信が、説得力を持つという点です。
2つ目の事例は、人気YouTuberとコラボレーションしたゲーム会社のプロモーションです。ゲーム実況者として知られるYouTuberに、新作ゲームをプレイしてもらい、その様子を動画で配信してもらいました。
ゲームの魅力がリアルに伝わることで、多くの視聴者がゲームに興味を持ち、発売後の売上増加につながったそうです。この事例から分かるのは、インフルエンサーの専門性や個性を活かしたコラボレーションが、高い効果を生むということです。
3つ目の事例は、ファッションブランドがインスタグラマーとタイアップした販促キャンペーンです。人気インスタグラマーに、ブランドの服を実際に着用してもらい、オシャレなコーディネートを投稿してもらいました。
ファッションリーダーとして信頼されるインスタグラマーの投稿は多くの「いいね」を集め、ブランドの認知度向上とウェブサイトへの流入増加を実現しました。この事例が示すのは、インフルエンサーのセンスや審美眼を信頼するフォロワーが多く存在するということです。
以上の成功事例からは、インフルエンサーの持つ影響力を最大限に活用することが、マーケティング効果を高める鍵だと分かります。自社の商品やサービスの特性を見極め、それを魅力的に伝えられるインフルエンサーを起用することが重要だといえるでしょう。
インフルエンサーマーケティングのメリット
インフルエンサーマーケティングには、従来のマーケティング手法とは異なる大きなメリットがあります。ここでは、ターゲットオーディエンスとの強い関係性、高い信頼性と影響力、そしてコストパフォーマンスの良さという3つの観点から、インフルエンサーマーケティングの利点を詳しく見ていきましょう。
ターゲットオーディエンスとの強い関係性
インフルエンサーは、特定の分野やトピックに関心を持つフォロワーを集めています。そのため、企業がインフルエンサーとコラボレーションすることで、自社の商品やサービスに興味を持つ可能性の高いターゲットオーディエンスにリーチできます。例えば、美容系のインフルエンサーであれば、美容に関心の高い層にアプローチできるでしょう。
また、インフルエンサーは日々フォロワーとコミュニケーションを取っているため、フォロワーとの間に強い絆を持っています。この絆によって、インフルエンサーの発信する情報はフォロワーにとって親近感のあるものとなり、高い共感を得られるのです。
高い信頼性と影響力
インフルエンサーは、フォロワーから高い信頼を寄せられています。その信頼の源泉は、インフルエンサーの専門性や経験、そして率直な意見にあります。フォロワーは、インフルエンサーの発信する情報を信頼し、その意見を参考にして購買行動を起こすことがよくあるのです。
この信頼性ゆえに、インフルエンサーの影響力は非常に大きなものとなります。米国の調査によれば、消費者の40%近くがインフルエンサーの投稿によって商品を購入した経験があると回答しています(Annalect, 2017)。インフルエンサーの一言が、多くの人の行動を左右する力を持っているのです。
コストパフォーマンスの良さ
インフルエンサーマーケティングは、従来の広告手法と比べてコストパフォーマンスに優れています。テレビCMや雑誌広告と比較すると、インフルエンサーへの支払い額は割安であることが多いです。それでいて、前述の通りターゲットオーディエンスへの訴求力は非常に高いのです。
また、インフルエンサーマーケティングの効果は測定しやすいというメリットもあります。インフルエンサーの投稿に対するエンゲージメント(いいね!数やコメント数など)や、購入に至るまでの流れを追跡することで、投資対効果を可視化できるのです。この点は、効果測定が難しいテレビCMなどとは異なります。
以上のように、インフルエンサーマーケティングにはターゲットオーディエンスとの強い関係性、高い信頼性と影響力、そしてコストパフォーマンスの良さという大きなメリットがあります。これらの利点を活かすことで、企業は効果的なマーケティングを展開できるでしょう。
インフルエンサーマーケティングの注意点とデメリット
インフルエンサーマーケティングは、高い影響力と信頼性を活かした効果的な手法ですが、いくつかの注意点とデメリットも存在します。適切なインフルエンサー選定、コンプライアンスとリスク管理、効果測定の難しさなどを理解し、慎重に取り組む必要があります。
適切なインフルエンサー選定の重要性
インフルエンサーマーケティングの成否は、適切なインフルエンサー選定にかかっています。ターゲット層とインフルエンサーのフォロワー層が一致していることが重要です。例えば、若者向けのファッションブランドが、主に中高年層をフォロワーに持つインフルエンサーとタイアップしても、効果は限定的でしょう。
また、インフルエンサーの発信内容や価値観が、ブランドイメージと合致しているかも確認が必要です。不適切な発言や行動をするインフルエンサーを起用すると、ブランドイメージを損ねるリスクがあります。インフルエンサーの過去の発信内容をチェックし、慎重に選定することが求められます。
さらに、インフルエンサーの信頼性や影響力を見極めることも大切です。フォロワー数が多くても、engagement(エンゲージメント)率が低い場合、実際の影響力は限られています。フォロワーとの交流が活発で、コメントやいいねが多いインフルエンサーを選ぶことが効果的です。
コンプライアンスとリスク管理
インフルエンサーマーケティングを行う上で、コンプライアンスとリスク管理も重要な課題です。特に、ステルスマーケティングと呼ばれる、広告であることを明示しない宣伝行為には注意が必要です。消費者庁の調査によると、インフルエンサーの投稿の約7割が広告表記なしの宣伝行為であったことが明らかになっています。
ステルスマーケティングは、消費者の信頼を損ねるだけでなく、景品表示法違反に問われるリスクもあります。インフルエンサーとのタイアップ時には、必ず広告であることを明記するよう徹底することが求められます。最近では、Instagram上で「#PR」「#広告」などのハッシュタグを使用する事例が増えてきました。
また、インフルエンサーによる不適切な発言や行動も、ブランドイメージに大きな影響を与えます。契約時には、守秘義務やSNS上での行動規範などを取り決めておくことが重要です。トラブル発生時の対応マニュアルを準備しておくことも、リスク管理上有効でしょう。
効果測定の難しさと長期的な取り組みの必要性
インフルエンサーマーケティングのもう一つの課題は、効果測定の難しさです。インフルエンサーの投稿がどの程度売上に貢献したのか、正確に把握することは容易ではありません。クリック数や購入数などのデータを追跡する仕組みを整えることが重要ですが、口コミによる2次的な拡散効果などは測定が難しい面があります。
また、インフルエンサーマーケティングは一時的な売上増加には効果的ですが、ブランドの長期的な成長には直結しにくいというデメリットもあります。インフルエンサーとの継続的な関係構築と、一貫したブランドメッセージの発信が求められます。単発的なキャンペーンに頼るのではなく、長期的な視点でインフルエンサーマーケティングに取り組むことが肝要です。
さらに、インフルエンサーに過度に依存すると、ブランドの主体性が失われるリスクもあります。あくまでもインフルエンサーはブランドの魅力を伝える媒体であり、ブランド自身の発信力を高めることが長期的な成功につながります。自社メディアの充実など、インフルエンサーに頼らない施策とのバランスを取ることが重要です。
まとめ
インフルエンサーマーケティングは、SNS上で影響力のあるインフルエンサーを活用し、商品やサービスを効果的にプロモーションする手法です。インフルエンサーの実体験に基づく情報発信は、フォロワーからの信頼と共感を得やすく、高い説得力を持ちます。
本記事では、インフルエンサーマーケティングの基本概念から、成果を最大化するための戦略、注意点まで詳しく解説しました。適切なインフルエンサー選定や、コンプライアンス管理の重要性も理解いただけたことでしょう。
インフルエンサーマーケティングを実践することで、ターゲットオーディエンスとの強い関係性を構築し、高いマーケティング効果を得ることができます。ぜひ、本記事で得た知見を活かし、自社の商品やサービスに適したインフルエンサーマーケティング戦略を立案してください。
長期的な視点を持ち、インフルエンサーとの信頼関係を大切にしながら取り組むことで、ブランド価値の向上と売上拡大を実現できるでしょう。インフルエンサーマーケティングを味方につけ、ビジネスの成長にお役立てください。

River編集部
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